小学生の不登校がとても増えています
フリースクールで個性的な子どもたちと日々過ごしていると、残念ながら学校の中は居心地が悪いだろうな…というのが正直な感想です。
今回は、フリースクールの子どもたちからの声を参考に「小学生の不登校」の特徴を3つにまとめてみました。

①「学校に行きたい」「明日は行く」と言う
「大好きなお母さん、お父さんに嫌われたくない。」子どもにとって、家庭は唯一の居場所・社会です。
そこを失うことは想像すらできません。
お母さんお父さんを悲しませることや、困らせることは、居場所を失うかもしれない恐怖を伴います。
子どもは、大人が何を望んでいるのかを敏感にわかっています。
お母さんお父さんを悲しませたくないからこそ、「学校に行きたくない」とは中々言えません。
そして、子ども自身が学校以外の居場所を知る機会はほぼありません。本人自身が、学校しかないと思っている場合が多いです。

そのために「学校に行きたい」と言い続ける、もしくは実際に「部分的に学校に行ってみる」「別室登校をしてみる」子どもがほとんどです。
すると後日、学校の先生から「学校に来ると元気にしています。」「友だちとも遊んでいました。」と教えてもらうことがあります。
しかし、本当に心から楽しんでいる場合ばかりではありません。
不登校経験のある若者に体験をきくと、「学校にいるときは、自分を演じている。がんばって周囲に溶け込むように演じているから、すごく疲れてしまって、家に帰ってくると倒れたように寝ていた。」と語っていました。
自分を殺して、ギリギリまで頑張った結果の「学校では元気にしています。」だったりします。
また、別のフリースクールの元会員が、部分登校や別室登校をしていた小学生の頃を振り返り、「あの頃の自分は死んだ魚の眼をしていたらしい」と人ごとのように話していました。
「明日は学校に行こうかな」と前日の夜に言ってきて、でも、朝になると結局行けなかった…ということも良くあります。
これも、子どもが嘘をついているわけではありません。確かに前日には「行きたい」「行かなきゃ」と本当に思っているけど、翌朝になると辛い気持ちが湧き出て来て、どうしても行けないのです。
②言葉で説明できない
不登校になった子どもが、その理由を明確に話してくれる事はまずありません。
言えるようになるのは、大人になってから。あの頃を振り返ると、ああだったこうだったと、整理されてやっと言えるようになります。
小学生が自分の不登校の理由を話してくれるとしても、その時々に周囲の大人が納得してくれそうなやり取りをして、とりあえずその場を終わらせるという方法をとります。
そうした日々では、「嘘は日常」と話してくれた子どもの人もいます。

よく使う理由は、「勉強がわからない」や、夏休み明けの「宿題が終わっていない」「だるい」などです。
それをきくと、大人はつい「宿題は早くやりなさい」とか「みんながんばってるんだから頑張りなさい」とか「手伝ってあげるから頑張ろう」と励ましたりします。
しかし、それだけが学校に行きたくない・行けない理由ではないので、子どもにとってはプレッシャーになる場合が多いです。
言葉で説明しようとしても、わかってくれなさそうだと思って、毎日体調不良を訴えてやっと休んでいた人もいます。
そして、本当に体調を崩します。
微熱が続いたり、腹痛、頭痛、喘息がひどくなったり頻尿になったりします。
子どもの人に話をきくと「お母さんに、学校に行きなさいって言われると喘息が出て、休むと治っていた。」「一番ひどいときは入院した。」ということもあったそうです。
実際、体調が悪く内科に行っても、原因がわからずに整腸剤などを適当に処方されるだけという人もいます。
本人も言葉にできず、大人にも説明できない場合、体の症状に従うといいかも知れません。
③ 元気になるのが早い!
自分に適した環境を見つけると、驚く程回復が早いです。
もちろん個人差はありますが、年齢が低いほど元気になるのが早いように思います。
傷ついた時間が短いほど回復が早いのは、考えてみれば当たり前ですね。

100周年を迎えるイギリスのフリースクール「サマーヒルスクール」では、子どもの新入学年齢を12歳までにしているそうです。それは、他で傷ついた経験の少ない子どもの方が、サマーヒルスクールでも、より元気に過ごせるからだそうです。
また、朝の体調不良でよくある、心因性腹痛は、「心からの安心」「正当な怒りの表現」「不満を一緒に解決する相手と出会うこと」で解決するそうです。
そうした条件がそろった居場所と出会えれば、心身ともに元気になります。
もちろんですが、その居場所がフリースクールである必要はありません。
お家で安心して過ごしながら元気になる人もたくさんいます。小学生低学年で不登校になり、しばらくお家で過ごして元気になってから、5年生~6年生でフリースクールに来る子もいると聞きます。
いつ入ってもいい場所なので、友だちが欲しくなったり、新しいことをやりたくなったりしてから、フリースクールに来るのでも遅くありません。
そうして、安心できる居場所で過ごした後は、それぞれが自分に合った進路を選んで歩んでいきます。
中学・高校や大学から進学する人、専門分野を勉強する人、高認をとる人、好きな分野のアルバイトを始める人などなど…。
自分が自分でいられる居場所で過ごすと、やりたいことがどんどん出て来るようですね。
最後に…
『今まで生きてきて一番勇気を出して言った言葉は「学校に行きたくない」だった。』
何人もの子どもから聞いた言葉です。できれば若い子どもたちが、勇気を出さなくても気楽に言える世の中になってほしい!と思う今日この頃です。
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